ただ、静かに。

2 0
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

テレビも新聞も、どこもかしこも「三年目」という言葉ばかりが飛び交って、昨日辺りから心がざわざわして落ち着かない。

復興などという言葉は、福島ではただ空回りしてるだけの、ただの戯言でしかないのに、テレビも新聞もSNSも、どこもかしこもそんなことばかり。


今日、昼の通院で病院へ行ったら、待っていたのは悲しい光景だった。

18歳のにゃんこさんを亡くされた飼い主さんがお迎えに来ていた。

診察を待つ間、なんとはなしにお互いに話しはじめたら、大熊町から避難されている方だった。

20km圏内が警戒区域に指定される2日前に、ある団体さんと一緒に飼い猫4匹を迎えに行ったという飼い主さん。

18歳のにゃんこさん。

頑張ったんだよー。
いいこだったんだよー。
と、短い間だったけれど、たくさんの自慢話を聞かせてもらい、滅多に名乗らないけど、レスキューボランティアをやってることを口にしたら、ボロボロ涙をこぼして、ありがとう。ありがとう。と言ってもらってしまい、ついつい一緒に泣いちゃった…。



あたしが圏内に初めて入ったのは2011年の4月19日。

警戒区域に指定される3日前。

死ぬまで忘れられない光景。
死ぬまで忘れられない現実。

仕事もプライベートも友人すらも捨て置いて、レスキューに毎週通うようになってから、東京へ戻る度に、どんどん心がぼろぼろになっていった。

虚構と現実に挟まれて、現実と現実に挟まれて。

仕事をしていても心は福島に置いてきぼり。

友人と飲んでいても、もう笑うことが出来なくなった。

あたしにとって、東京で暮らすということが「嘘」であり「偽り」になった。


当時は徹夜に次ぐ徹夜をして、多い時は週に3回も日帰りで東京福島を往復し、眠い目を擦りながら帰る高速で東京の灯りを見るたびに、涙が溢れて止められなかった。


たまたまきっかけがあったから福島への無理矢理な移住を決めたけど、そのきっかけがなかったとしたら、きっとあたしはレスキューをやめていただろう。

今、あたし史上最高に質素な生活をしていると思うけどw、うちの猫たち以外には守るものもなく、失うものも無かったあたしが起こした無茶な行動を、一緒に支えてくれる人がいる。

見守ってくれる人がいる。

応援してくれる人がいる。

共に行動してくれる人がいる。

これってホントにすごいことだと思うんです。



hibiさんと出逢わなければ、あたしは福猫舎をオープンすることなんて出来なかっただろう。

これだってきっかけはホントにびっくりする位の一瞬の出来事だった。


飯舘村で活躍してくれているたぬき除けの給餌器を、試作してみたから、とhibiさんに連絡を取り、設置してみようということになり、まるこを誘って一緒に飯舘村へ向かってた時、最後のコンビニの駐車場で少し立ち話をしていた時に、シェルター作りたいんだけど難しくて…と口にしたら、協力するよ。と会って二度目のhibiさんに言われたことに驚いて。

本気ですか?と思わず尋ねてしまったけれど、出来る協力はするから言ってやー、と明るく言われ、その後の車内でまること動揺しまくったことを昨日のことのように覚えてる。

それが2012年の12月の終わりのこと。

そこから怒涛のごとく、物件を探し内見に言って試算して…ということを何度も何度も繰り返し、今のあぶくまシェルターを見つけたのが2013年の1月の終わり。

今度は内装の手配や備品の手配に忙殺されて、支援の予測なんかも全く想像がつかないまま、手探りでのスタートだった。

不安も恐れもたくさんあるけど、とにかくやろう!と決めたから、一人で残す母のことが一番気がかりではあったけど、止めても無駄でしょ?と寂しい笑顔で言われて、ごめん、と謝ることしか出来なくて。


たくさんのことを犠牲にして、たくさんのことを置き去りにして、今のあたしの生活が始まった。

それが去年の今日。


福猫舎をスタートしてから、今までに保護した猫は100匹を超えている。

あたしもまるこも、きっとちょっとイカレてるから出来ることだとは思うけど、何よりも保護っこのケアを優先してこの一年を過ごしてきた。

ずうっと応援し続けてくださっている方がいて、たまたま見つけてくださった方が新たにご支援くださって。

たくさんの方に背中を押され、見守られ、あたしたちは動き続けることが出来ている。ということをしみじみつくづく実感する。


細々とだけど、保護っこたちのケアをしっかりとやりながら一年を過ごすことが出来たことに、本当に心から感謝します。


見送ったいのちも、守れなかったいのちも、あたしたちが奪ってしまったいのちもあるけれど、そのいのちの重さをしっかりと心に刻み込んだまま、明日から迎える二年目を、またみんにゃさんとしっかり向き合いながら過ごしていきたいと思う。


明日は静かに空を見上げて、心からの祈りを込めながら過ごそう、と思う。


ただ、静かに。
ページトップ